1.砂糖を原料とした拡大バイエム
蔗糖(しょとう,サトウキビ・サトウダイコンなどから抽出される糖)を酵素で発酵させて土佐文旦の葉面散布に用いる拡大バイエム液肥の仕込みをします。
蔗糖は多糖類で分子量が大きく、そのまま散布しても文旦の葉面からは吸収されません。
そのため酵素を使って発酵させて、分子量の小さい単糖類(ブドウ糖)に変化させてから散布します。
開花前・開花後に、数回散布すると、確実にぶんたんの実が結実します。
当園ではこの酵素液肥葉面散布を路地栽培、温室栽培とも年間を通じて使用しています。世間ではステビア(植物由来の甘味料)農法も行われていますが、当園では本物の砂糖を利用しています。
なんと一度に砂糖120kg使います。右の容器は酵素です。
1袋30kgの砂糖!
最初はもったいない気がしましたが、おいしい文旦のためです。
すべての材料を投入。まだあまり泡立ちません。
材料を入れたら空気を通す布で覆います。
この後定期的にかき混ぜていると、発酵が進み、すごく泡立つようになります。
こうして発酵した液肥を葉面散布すると、本当によく効きます!
2.リン酸発酵肥料
土佐文旦にはリン酸を効果的に効かすことが美味しい果実を生産するポイントとなります。普通のリン酸肥料を文旦園にそのまま施肥をすると、土壌中の金属イオンと反応して固定化されやすく、文旦の木にに効率よく吸収させることができません。
リン酸に発酵菌を加えて酵素発酵肥料にすることで、固定されにくく、肥効が高まり、的確に効かせることが出来るようになります。下の写真は、秋の施肥を控えての仕込みです。2年分を一度に作っています。20キロの肥料袋で150袋分くらいを一度に作ります!
方法は、リン酸肥料・貝化石・ゼオライト・米糠・発酵菌・などに、水を加えて積込み発酵させます。
これは配合用の混ぜ機に材料を投入しているところです。
左は父です。
機械で使い混ぜ合わせています。
混ぜ機から出た物をスコップを使って積み上げていきます。
積み込み作業はこれで終わりです。
10日ほどこのまま置いておきます。
・・・このまま10日間発酵・・・
1度切り返しとして混ぜます。これにより酸素が又入り、もう少し発酵が続きます
切り返しをかねて横の箱の中に積み込んでいます。
そこに保管して2年間に分けて使います。
発酵が進み表面はかびのようになっています。良く発達し、近づくと菌糸も見えます。
温度計では約65度になっていました。穴を掘って手を入れると熱くてたまりません。
スコップですくって奥の箱の中へ入れています。
半分くらい終わりましたがまだまだ… しんどいので休憩しながら…。
やっと終わり、箱いっぱいに。この状態で発酵が進とだんだん温度が下がっていきます。
肥料をまく場合は、また袋に移して文旦園に持っていきます。この作業はものすごくホコリます。でも美味しさのためには頑張らないといけない作業ですね。